美肌の大敵!紫外線による日焼けのメカニズムとは
「紫外線を浴びると日焼けする」。これは誰もが知っている事実ですが、そのメカニズムをしっかり把握している人はそう多くはないようですね。紫外線には「UVA」「UVB」「UVC」の3種類がありますが、このうち日焼けに関係するのは「UVA」と「UVB」。この2つの紫外線がどのように日焼けをもたらすのかについて分かりやすくご説明しましょう。
ご存知の通り、強い紫外線を一定期間にわたって浴びるとまず肌が赤くなってヒリヒリとした痛みを感じ、その後時間の経過と共に黒くなっていき、最後に皮が剥けていきますよね。赤くなる現象を「サンバーン」、黒くなる現象を「サンタン」、皮が剥ける現象を「落屑」と言いますが、このうちUVBが引き起こしているのは「サンバーン」、UVAが引き起こしているのが「サンタン」です。UVBは波長こそ短いものの非常にエネルギーが強いので、肌の表皮でその細胞を傷つけ、これにより血管拡張物質が作られます。肌の毛細血管が拡張するので肌が赤く見えるわけですね。こうして炎症を起こして肌がピリピリと痛むんです。
一方、UVBよりはるかに波長の長いUVAは、比較的エネルギーは弱いものの肌の真皮層まで届き、じわじわと影響を与えます。肌のコラーゲンにダメージを与え変化させてしまうため、シワやたるみ等の原因にも。そして肌の色素細胞であるメラノサイトがこの「外敵」から身を守るためにメラニン色素を生成します。メラニン色素は肌の奥深くの基底層で生まれますが、これが肌のターンオーバーにより徐々に肌表面へと押し上げられるため、段々皮膚が黒くなっていくように見えるんですね。この、メラニン色素の増加現象が、「サンタン」というわけです。
こうして肌が「日焼け」してしまうわけですが、肌のターンオーバーが正常な場合にはメラニン色素を含んだ肌細胞が更に角質へとゆっくり押し上げられ、最終的には目に見えない小さな垢となって剥がれ落ちます。ところがサンバーンという肌の炎症が起こっていると、肌のターンオーバーが乱れるため細胞の増殖が一次的に盛んになって、押し上げられた肌細胞が目に見えるほどの大きな塊となって剥がれ落ちます。つまり「落屑」、皮が剥けるという現象が起こるわけなんですね。
このように、一時的な日焼けで肌のターンオーバーもすぐに正常に戻るようであれば問題ないのですが、紫外線を浴びすぎると肌のターンオーバーが乱れ、メラニン色素の生成スピードに追い付かず肌内部に残ってしまいます。この肌に居残るメラニンが、美肌の大敵「シミ」。日焼けがシミの原因になるのは、このようなメカニズムによるものなんですね。