美肌を損なう活性酸素とは?どんな影響があるの?
「活性酸素はお肌に悪い」。こんな風に何となくぼんやりと認識している人は少なくないようですね。実際のところ活性酸素は肌の老化を招く最大の要因とも言われています。そうでありながら生きていくうえで決して避けて通れないのも活性酸素。そもそも活性酸素って何なのでしょうか?
私たちが呼吸によって取り入れている酸素は、他の物質に結合して酸化反応を引き起こす性質を持っています。例えば鉄に結合すると「酸化鉄」つまり「錆び」になりますよね。普通の酸素より強力な酸化反応を持つ物質が「活性酸素」であり、私たちが酸素を体内に取り込んだ時にその2%が活性酸素に変化します。「何でそんな余計なものを作っちゃうの?」と思われるかもしれませんが、実はこの活性酸素、適量であれば細菌などの異物を攻撃し取り除く役割を果たしている、体に有用な物質なんですよ。更に私たちの体内には活性酸素によって体が酸化するのを防ぐ「抗酸化システム」も備わっているため、正常な状態であれば全く問題ないんですね。ところが喫煙やストレス、紫外線なども活性酸素を作り出す要因になっているため、これらにより大量の活性酸素が体内に発生すると、抗酸化システムが追いつかず、健康な細胞にまで取り付いて酸化させてしまうというわけなんですよ。「紫外線は美肌の敵」とよく言われますが、これもより正確に言えば「紫外線を浴びることによって作られる活性酸素が美肌の敵」なんですね。
例えば紫外線を浴びると肌はメラニン色素を生成し肌が黒くなってしまいますが、これもチロシンというアミノ酸が活性酸素により酸化して起こっているんです。メラニンそれ自体は肌を紫外線という有害物質から守るために必要なものですが、これが大量に発生するといつまでも肌に残ってシミになったりするので厄介ですよね。また紫外線により皮脂の中にある不飽和脂肪酸が酸化して「過酸化脂質」に変化すると、肌の奥にあるコラーゲンにダメージを与え、コラーゲンが損なわれて肌が弾力を失います。これがシワやたるみの原因に! こうして錆びついてしまった肌細胞は徐々に死んでいきますから、肌のバリア機能も損なわれ、乾燥肌を引き起こして更に美肌のための機能が損なわれる……という悪循環に陥ってしまうんです。
なので、活性酸素から肌を守るためにも、紫外線対策は欠かせません。最近話題の「飲む日焼け止め」はまさにこの点に着目したもの。抗酸化成分を配合することで、紫外線により発生する活性酸素を抑制しようというものなんですね。ですから単に日焼けを防止だけでなく、肌の酸化を抑制する美肌効果も期待できそうです。